日本正教会は古代ローマ時代から行われているユリウス暦(旧暦)で奉神礼をおこなっています。今世紀は現行のグレゴリオ暦(新暦)と13日の差ができています。正教会暦では、降誕祭はユリウス暦12月25日で、その日は、現在ではグレゴリオ暦の1月7日にあたります。
ここで、13日の差について、実際に影響を及ぼす閏年のグレゴリオ暦の2月29日以後についてみてみましょう。
平年(閏年でない年)について、下記の対応表のユリウス暦2月16日(黄色ラインの左端)を見てください。その日はグレゴリオ暦では3月1日(青色ラインの左端)にあたり、以下2月17日は3月2日、2月18日は3月3日、、、、と順次対応しています。
さて、閏年になると、次の表のように、上下の対応が1日ずれます。
ユリウス暦の2月16日(黄色ラインの左端)は、グレゴリオ暦に2月29日が出現するので、上下の表をのように、平年と比べて左に1日ずれます。以降ユリウス暦2月17日の聖人はグレゴリオ暦の3月1日にと、、、同様対応する日が1日ずれていきます。
最後にユリウス暦の2月29日(青色ラインのグレゴリオ暦では3月13日にあたる)が現れて、その翌日(各表の右端)は、平年も、閏年も、各表の右端のように対応が同じになって、ずれはなくなります。
すなわち、平年に「ユリウス暦の2月16日」から「ユリウス暦の2月28日」までに記憶される聖人は、閏年になると、グレゴリオ暦にあたる日が1日ずれることになるのです。
ご自身のグレゴリオ暦にあたる聖名日が、閏年の場合は、この期間はグレゴリオ暦からみると1日前倒しになります。
<注意事項>
『聖暦』正教会(明治二十一年六月)31-32頁、『聖事経』大日本正教会(明治二十八年)490頁の「閏年二十九日克肖なるローマのカッシアン、、、以下」の記述は、閏年ユリウス暦の2月29日に記憶すべき聖人を記しています。すなわち閏年のユリウス暦の2月29日の対応日である閏年グレゴリオ暦の3月13日に記憶すべき聖人です。
平年(2月29日が存在しない年)は、ユリウス暦の2月28日にあたるグレゴリオ暦の3月13日に、ユリウス暦の2月28日聖人とあわせて、ユリウス暦2月29日の聖人も記憶します。
日本正教会では、降誕祭の奉神礼をグレゴリオ暦12月25日のみで行う教会と、ユリウス暦12月25日(=グレゴリオ暦1月7日)にも行う教会(東京復活大聖堂)がありますので、各教会のWebSiteなどでご確認ください。
以上の注意事項に関わる具体的記述については、毎年刊行される『正教会暦』(日本正教会刊)をご確認ください。