真の悔改めののち、待ち望んだ領聖のとき、ご聖体を前にして、首(こうべ)を屈めて誦する祈祷文です。
領聖(前の)祝文
「主や我信じ且承け認めて、爾を実にハリストス生活の神の子、罪人を救ふが爲に世に来りし者となす、衆罪人の中我第一なり、又信ず、此は乃爾が至浄の體、此は乃爾が至尊の血なりと、
故に爾に祈る、我を憐み、我が自由と自由ならずして、言と行にて、知ると知らずして、犯しし諸罪を赦し給へ、並に我に定罪なく、爾が至浄なる機密を領けて、罪の赦しと永生とを得るを致させ給へ「アミン」。
神の子や、今我を爾が機密の筵に與る者として容れ給へ、蓋我爾の仇(あだ)に機密を告げざらん、
又爾にイウダの如き接吻を爲さざらん、乃右盗の如く爾を承け認めて曰ふ、主や、爾の國に於て我を記憶せよと、
主や、祈る爾の聖なる機密を領くるは、我が爲に審案或は定罪とならず、乃靈體の醫(いやし)とならんことを。」
「主よ、私は信じかつ真の心をもって告白します。あなたが罪人を救うために、この世に来られた生ける神の子ハリストスであり、私がその罪人のうちの第一の者であることを。
また、私がこれから分かち合うのは、あなたの汚れのない体であり、きわめて尊貴なる血であると心から信じています。
それゆえ、私を憐れみ、私が犯した罪を、自らの意志によるか否かによらず、言葉によるか行いによるかによらず、私が知っていても知らずにいても赦してください。
そして、私が罪過の宣告を受けずに罪が赦され、あなたの汚れなき機密の宴に加わり、永遠の命を得られるように祈ります。アミン。
神の子よ、あなたの機密の晩餐に、いま私を加えてください。私はこの機密について、あなたを否定する者にも話すことなく、あのイウダのごとく接吻をすることもありません。さながら右手の十字架に釘せられた盗賊のように、あなたの王国で私を記憶してください。
主よ、あなたの裁可が、私への非難や罪過の宣告で終わることなく、むしろ私の霊と体を浄めて聖別されますように祈ります。」
イウダ(ユダ)の接吻
イウダは群衆の中でハリストスがそこに居ることを示すため近づき、接吻して合図します。
イウダは自分の間違いを悔い改めず、利己的なままで生涯を終えました。
イウダは縊死し、残る門徒たちは悔改めて聖使徒としての役目を担います。
(『マトフェイ伝』26:47-56)