主日、聖堂が開く頃から、聖体礼儀が始まる前まで、また前日の徹夜祷では、早課の聖福音経の接吻を終えてから、痛悔機密がおこなわれます。
聖体礼儀は信者がハリストスの尊体、尊血、すなわちご聖体をいただくお祈りです。それまでに祈りと斎のもと痛悔を受けて、ご聖体をいただく準備をする必要があります。
痛悔機密の場では、自らの「罪」や「不正」について、主、神に向けて、その要点を的確に告白してください。
また、病気により主治医から服薬を指示されるなど、やむをえず禁食をできない場合は、痛悔の際に、その旨を神父に伝えていただければご聖体をいただけます。
善悪の区別がつくようになった全ての正教徒(学齢以上)は、痛悔を受けることが必要です。
ただし、痛悔は強制されるものではなく、自らの意志で行うものです。痛悔は司祭品を通して自分の罪を告白し、主・神から罪の赦しを受ける、神の憐れみの機密です。
以下は『誰でも知っておきたい正教会の奉事と諸習慣』(訳者プロクル牛丸康夫長司祭ほか、平成8年刊)より引用しました(一部改)。痛悔について、わからないことがあれば、遠慮無く神父にご相談いただければ、領聖の機会を増やすことにつながります。
罪の分類
1、主・神に対する罪。
2、隣人に対する罪。
3、自身に対する罪。
どのようにして、人は罪に陥るか
1、行いによる
2、言葉による
3、思いによる
主・神に対する罪とは
1、主・神の名をみだりに用い、あるいは主・神にみだりに誓うこと。
2、主・神のみ旨(聖書、聖伝)に反すること。
3、主・神への不信仰。
4、自分自身の罪に対する、神の許しを期待しすぎる事。
5、信仰の真実に反するような言動をとる事。
6、希望を失うこと。
信仰に関する罪とは
1、信仰の真実に対しての背反(信仰の否定)
2、主・神の善に対する軽蔑、侮蔑等
3、主・神の助けに希望を持たぬ事
4、主・神の恩寵の否定
5、正教会の信仰を捨てること
罪とたたかうおこない
1、公祈祷にすすんで参祷すること。
2、私祈祷を献じること。
3、諸機密と正教会の諸祈祷(感謝、成聖など)に参祷すること。
4、他人(隣人)のために善行を積み、そのことを即座に忘れ去ること。
5、霊的救いを目的とした学びをすすめること。
6、誘惑の原因になることから努めて遠ざかること。
7、霊的、肉体的誘惑から遠ざかるために斎をすること。
痛悔機密は単独の機密です。聖体礼儀とは関わりなく受けることもできます。痛悔は司祭を通して罪を告白し、主・神から罪の赦しを受けます。罪を赦す権限は、主・神のみに属します。司祭はその証人の役割を果たします。