聖神の降臨を祝う聖五旬祭の聖体礼儀における領聖に次いで「主日晩課」では膝を屈めて祈ります。誦読される祝文は至聖三者に拯救(すくい)を恃む深い祈りに満たされます。
「 主イイススハリストス我等の神よ、あなたは復活し、私達と共におられる時、あなたの平安を人々に与え、至聖なる神の賜を奪われることなき遺産として与えてくださいました。
あなたは天に升られ、今日聖五旬祭の日に、更にあなたは恩寵を門徒や使徒に遣わして、闇の世界にある私達が救われるように、燃えるような口から火の舌を通して、神の教えをあらゆる人種に、それぞれの方言(=各国の言葉)を用いて伝えられたので、人々は神の教えに耳を傾けることが叶い、それは確かに人々に聞き取られたのです。
その教えは広がり、聖神の光に照らされつつあなたを信じることを教えられ、父および聖神と共に、唯一の神性と能力と力とにおいて讃めあげることを私達は覚ったのです。
あなたは変わることの無い父の光であり、変わることの無い神の性、救いと智慧と恩寵の源であるので、罪人である私達の唇で、どう祈るべきかを教えてください。あなたは私達の罪の多くを知っている人ですが、あなたの憐れみはその計り知れない咎を克服するものです。
見てください。私達はあなたの前にひざまずき、いま怖れを抱いた霊はあなたの慈しみの淵に一身を投げ出しています。それゆえ、私達の過ちを覆い匿し、私達自身に神の智慧の受け皿となる霊を植え付けて、叡智の光、正しい神の智慧を与え、私達の心の弱さを堅固なものに替えてください。
私達はこれからも、至って善なる神によって、よきことへ導かれ、あなたの誡めに従い、常々あなたの光栄に満ちた降臨により、過ちを犯しやすい私達を支えてください。
そして、やがては滅び行くこの世の美麗なものに気を取られること無く、天国に宝を積もうとする心を確かなものにしてください。」
(『五旬経略』聖五旬祭主日晩課「第二祝文」から)