暮の祈祷文
主イイスス・ハリストス神の子よ,爾が至浄の母と諸聖人との祈祷に因りて我等を憐み給え。「アミン」
我等の神よ,光栄は爾に帰す,光栄は爾に帰す。
天の王,慰むる者よ,真実の神 ,在らざる所なき者,満たざる所なき者よ,萬善の宝蔵なる者,生命を賜う主よ,来たりて我等の中に居り,我等を諸の穢より潔くせよ,至善者よ,我等の霊を救い給え。
聖なる神,聖なる勇毅,聖なる常生の者よ,我等を憐めよ。三次
光栄は父と子と聖神に帰す,今も何時も世世に。「アミン」
至聖三者よ,我等を憐め,主よ,我等の罪を潔くせよ,主宰よ,我等の愆を赦せ,聖なる者よ,臨みて我等の病を癒し給え,悉く爾の名に因る。
主憐めよ。三次
光栄は父と子と聖神に帰す,今も何時も世世に。「アミン」
天に在ます我等の父よ,願わくは爾の名は聖とせられ,爾の国は来り,爾の旨は天に行わるるが如く地にも行われん,我が日用の糧を今日我等に与え給え,我等に債ある者を我等免すが如く,我等の債を免し給え。我等を誘に導くかず,猶我等を凶悪より救い給え。蓋国と権能と光栄は爾に世世に帰す。「アミン」
讃詞:主よ,我等を憐めよ,我等を憐めよ,我等罪人何をいうべきを知らず,唯此の祈祷を爾主宰に献げて曰う,我等を憐めよ。
光栄は父と子と聖神に帰す。
主よ,我等を憐めよ,我等爾を恃めばなり,我等を痛く怒る勿れ,我等の不法を憶う勿れ,今も仁慈なるに因りて憐を垂れ,我等を諸の敵より救い給え,爾は我等の神にて我等は爾の民なり,皆爾の手の作れる者にて爾の名をよぶに因る。
今も何時も世世に。「アミン」
讃美たる生神女よ,我等の為に憐の門を開き,爾を恃む者に亡ぶることなく,爾に依りて禍を脱がるるを得しめ給え,爾はハリストスの民の救いなればなり。
主憐めよ。十二次
第一祝文 聖大マカリイの原文:永遠の神,萬物の王,我を是の時に至らしめ給いし主よ,我が今日行と言と思にて犯しし所の諸の罪を赦し,我が賎しき霊と体と心の諸の汚より浄め給え。主よ,我に又是の夜の眠を平安に過して,我が敞れし榻より起き,存命の日に於いて恒に』爾の至聖なる名に適う事を行い,我を攻むる有形無形の仇に勝つを得しめよ。主よ,我を汚す虚しき思と邪なる欲より我を救い給え,蓋国と権能と光栄は爾父と子と聖神 に帰す今も何時も世世に。「アミン」
第二祝文 聖アンティオフの原文 我が主イイスス・ハリストスに捧ぐ:全能者,父の言,完全なるイイスス・ハリストスよ,爾が多くの慈愛に因り,何時も我爾の僕(婢)を離れずして,常に我が内に止まり給え。イイスス爾が羊の善き牧者よ,我を蛇の計に付す勿れ,「サタナ」の望に任す勿れ。我が内に腐の核あればなり。主拝まるる神,聖なる王イイスス・ハリストスよ,我が寝ぬる時に,爾が滅えざる光,即爾が曾て門徒を聖にせし爾の聖神を以て我を護り給え。主よ,我爾の當らざる僕(婢)にも,我が臥牀に於て爾の救いを賜えよ,我が智識を爾が聖福音を悟る光を以て照し,霊を爾が十字架に於けるあいを以て照し,心を爾が言の浄きを以て照し,我が身を爾が無欲の苦を以て照し給え。我が思を爾の謙遜にて守り,時に及びて我を起し,爾を讃栄せしめ給え。蓋爾は爾の無原の父と,至聖の神と共に世世に崇め讃めらる。「アミン」
第三祝文 聖神に捧ぐ:主,天の王,慰むる者よ,真実の神 よ,恵を垂れて,我爾の罪僕(婢)を憐み,我當らざる者に,今日爾の前に,人たるを以て,又人に降りて,禽獣よりも甚しき事を犯ししを尽く赦し給え。蓋自由と自由ならざる,知ると知らざる罪,年少きにより,及び悪しき習により,縦により,及び倦むによりて犯しし事,若くは爾の名を以て軽しく誓い,或は思の中に之を誹り,或は怒を含みて人を讒言し,或は人を憂えしめ,或は怒り,或は偽り,或は寝るに其時に由らず,或は貧者の我に来るを侮り,或は我が兄弟を傷ましめ,あるいは人の争を起し,或は人を議し,或は驕り,或は誇り,或は憤り,或は祈祷に立つ時,我が思いは斯の世の諸事に馳せ,或は淫欲を懐い,或は飲食を慎まず,或は狂笑を発し,或は悪念を懐き,或は人の美善を見て心を悩まし,或は非礼の言を吐き,或は我が兄弟の罪を嘲りて,己が罪の数え難きを顧みず,或は祈祷を怠り,或は他に悪事を行えども之を忘る,蓋我悉く之を行い,又是より多く行えり,皆之を赦し給え。主宰我が造物主よ,我爾の倦みたる当らざる僕(婢)を憐み給え。爾は仁慈にして人を愛するにより,我を宥め,我を釈き,我を赦し,我淫欲なる廃てられし罪人に平安にして,臥し寝ね休い,且爾と父と其独生の子の至尊なる名に伏拝し,之を歌唱し,之を讃栄せしめ給え今も何時も世世に。「アミン」
第四祝文 聖大マカリイの原文:大恩を賜う常生の王,寛仁にして人を愛する主よ,我何を以て爾に献げ,何を以て爾に報いん,蓋爾は我が爾を喜ばすを怠り,何の善をもなさざる霊の悔改と救とを慮りて,我を過ぎ去りし是の日の終に至らしめ給えり。我罪人にして一も善き行なき者に慈憐を垂れて,我が倒れし霊,測られざる罪に汚たる者を起し給え。我より此の現世の諸の悪念を除き給え。独罪なき者よ,我今日爾の前に,知ると知らずして,言と行と思と我が諸の感覚にて犯しし罪を赦し給え。爾親ら爾の神の権と言い尽されぬ仁慈と力にて我を覆い,諸の仇の囲より衛り給え。神よ,浄めよ,我が罪の多きを浄めよ。主よ,我を凶悪者の網より脱し,我が欲の霊を救い,光栄を顕して来る時,爾が顔の光にて我を照し給え。今も,我を罪なく邪なる夢なくして眠らしめ,,爾の僕(婢)の念を乱れざるに守り,「サタナ」の謀を悉く我より遠ざけ,我が智識と心の目を明にして,死に眠るなからしめよ。我に平安の天使,我が霊と体との守護者,及び教導者を遣わし,我を仇より免がして,我が臥牀より起き,爾に感謝の祈祷を捧げしめ給え。嗚呼主よ,我望と良心の乏しき爾の罪僕(婢)に聆けよ,我に起きて,爾の言を学ぶを賜い,爾の天使を以て悪魔の悶を遠く我より離し,我に爾の聖なる名を讃め揚げ,及び爾が我等罪人の守護として与え給いし,至浄なる生神女マリヤを讃栄讃美せしめ給え,彼が我等の為に捧ぐる祈祷を納れ給え,蓋我は彼が爾の仁慈に倣い,祈祷して已まざるを知る。イイスス・ハリストス我が神よ,彼の守護と尊き十字架の号と爾の諸聖人とに因りて,我が賎しき霊よ護り給え,蓋爾は聖にして,世世に崇め讃めらる。「アミン」
第五祝文:主我が神よ,爾は仁慈にして人を愛するに因り,我が是の日に於て言と行と思にて犯しし事を赦し,平安にして乱れざる眠を我に賜い,我を諸の禍より覆い護る守護天使を遣し給え,蓋爾は我等の霊と体との守護者なり。我等光栄を爾父と子と聖神 に帰す,今も何時も世世に。「アミン」
第六祝文:主我が神,我等が信じ,諸の名に逾えて名づくる所の者よ,我等眠らんとする者に霊と体との息を与え,我等を諸の邪なる夢と闇冥の穢より守り,諸の私欲の動くを遏め,肉体の情欲の燃ゆるを滅し給え。我等に行と言とに貞潔を守り,徳を修めて此の世を渡り,爾が約せし所の永福を失うなからしめ給え,蓋爾は世世に崇め讃めらる。「アミン」
第七祝文 聖金口イオアンの原文
昼の十二端(正午十二時に祈るとき):主よ,我を爾が天の福楽より除く勿れ。主よ,我を永遠の苦より救い給え。主よ,我が心或は思いにて,言或は行にて犯しし罪を赦し給え。主よ,我を諸の無智と失念と頑固と心の狭きより免れしめ給え。主よ,我を諸の誘惑より救い給え。主よ,悪欲に昏まされし我が心を照し給え。主よ,我人として罪を犯せり,爾は寛仁なる神として,我が霊の弱きを見,我を憐み給え。主よ,爾の恩寵を垂れ,我を助けて,爾の聖なる名を讃栄せしめ給え。主イイスス・ハリストスよ,我爾の僕(婢)を生命の記録に載せ,我に善き終を賜えよ。主我が神よ我爾の前に一の善をも行わざれども,爾の恩寵に因りて我に善き始を建てさせ給え。主よ,我が心に爾が恩寵の露を注ぎ給え。天地の主よ,我耻づべき不浄なる爾の罪僕(婢)を爾の国に於いて記憶し給え。
夜の十二端(深夜二十四時に祈るとき):主よ,我を痛悔の時に納めれ給え。主よ,我を棄つること勿れ。主よ,我を禍に陥るること勿れ。主よ,我に善き意を与え給え。主よ,我に涙と世を去る思と感動とを与え給え。主よ,我に己の罪を痛告する念を与え給え。主よ,我に謙遜と貞潔と順従とを与え給え。主よ,我に忍耐と寛大と柔和とを与え給え,主よ,萬善の根なる爾を畏るる心を我の内に植え付けた給え。主よ,我に霊を全うし,思を全うして爾を愛し,並に万事に於いて爾の旨を行はしめ給え。主よ,我を或人と悪魔と諸欲と,其他凡そ不善の者より覆い給え。主よ,爾は己が己が行う事の其旨に適うを知り給えり。願わくは爾の旨は我罪人にも行われん,蓋爾は世世に崇め讃めらる。「アミン」
第八祝文 我が主イイスス・ハリストスに捧ぐ:主イイスス・ハリストス神の子よ,爾の至りて尊き母と爾が無形の天使と,爾の預言者,前駆授洗と,福音せし使徒と,光明なる凱旋の致命者と,克肖捧神なる神父と,諸聖人との祈祷に因りて,我を悪魔の囲より救い給え。嗚呼吾が主,造物主よ,罪人の死を欲せず,正しきに帰りて生を有たんことを欲する者よ,我廃てられし当らざる者をも正しきに帰らせ給え。我を呑みて生ながら地獄に堕さんとする毒蛇の口より我を脱し給え。嗚呼我が主,我の慰藉となる者,我廃てられし人の為に朽ち易き身を衣たる者よ,我が廃てられたるを救い手,我が霊に慰を与え給え。願わくは,爾の誡を守り,悪しき行を棄て,爾の福楽を得る望を我が心に納れ給え。主よ,我爾を恃むに因りて,我を救い給え。
第九祝文:仁慈なる王の仁慈の派は,至浄にして讃美たる生神女マリヤよ,爾の子,我が神の憐を欲に染みたる我が霊に注ぎ,爾の祈祷により,我を善行に導きて,我に生命の余日をきずなく度り,爾生神童貞女,一の浄き讃美たる者に因りて天堂を得しめ給え。
第十祝文 聖守護天使に捧ぐ:ハリストスの天使,吾が聖なる守護者,吾が霊と体とを守る者よ,我が今日犯しし罪を尽く赦し,我を我が仇の諸の計より救い,聊も罪を以て神の怒を招くことなからしめ給え。尚我罪なる当らざる僕(婢)の為に祈りて,我を至聖三者と我が主イイスス・ハリストスの母と諸聖人との恵と憐とを受くるに堪うる者とならしめ給え。「アミン」
生神女小讃詞:生神女よ,我等爾の僕婢は禍より援けられしを以て,爾克く勝つ将帥に凱歌と感謝を奉る。勝たれぬ権能を有つに因りて,我等を諸の苦難より救い,爾を歌いて聘女ならぬ聘女よ,慶べよ,と呼ばしめ給え。
至栄なる永貞童女ハリストス神の母よ,我等の祈祷を爾の子,我が神に携え,爾に因りて我等の霊を救わしめ給え。
神の母よ,我が恃を以て尽く爾に負わしむ。願わくは我を爾の覆の下に守り給え。
生神童貞女よ,我罪人,爾の佑助と爾の扞衛とを求むる者を軽ずる勿れ,我が霊は爾を恃めばなり,祈る我を憐み給え。
聖イオアンニキイの祝文:我が憑恃は父,我が避所は子,我が覆いは聖神なり,聖三者よ,光栄は爾に帰す。
生神女讃詞:常に福にして全く玷なき生神女,我が神の母なる爾を讃美するは真に当れり。ヘルワィムより尊く,セラフィムに並びなく栄え,貞操を壊らずして神言を生みし実の生神女たる爾を崇め讃む。
主憐めよ。三次
光栄は父と子と聖神に帰す,今も何時も世世に。「アミン」
主イイスス・ハリストス神の子よ,爾が至浄の母と,我が克肖捧神なる神父と,諸聖人との記憶因りて,我罪人を救い給え。
独誦の祈祷(現行版には無し)
神よ,我が自由と自由ならざると,言と行と,知ると知らざると,昼に夜に,思と心にて犯しし諸の罪を宥め,之を釈き,之を赦せ,仁慈にして人を愛する主よ,皆我等に赦し給え。
人を愛する主よ,我等を怨み,我等を悩ます者を赦し給え。
我等に善を行う者に善を施し給え。
我等の兄弟と親類とが救に勤むる願を聴き納れ,其に永生を与え給え。
病を患うる者に眷みて癒えるを賜え。
海を航る者を導き,陸を旅する者に伴い給え。
我が国を祐け給え。
我等に努め,我等を憐む者に罪の赦しを与え給え。
我等当らざる者に代りて祈るを頼みし人人を爾の大仁慈に因りて憐み給え。
主よ,先に眠りし諸父兄弟を記憶し,彼等を爾が顔の光の輝く所に安んぜしめ給え。
主よ,虜にせられし我等の兄弟を記憶し,其苦を釈き給え。
主よ,爾の聖堂に物を献り,勤を為す者を記憶し,彼等が救に勤むる願を聴き納れ,其に永生を与え給え。
主よ,我等の至浄なる女宰,生神女,永貞童女マリヤと,爾が諸聖人との祈祷により,我等爾の賎しくして罪なる当らざる僕(婢)をも記憶し,我等の霊を爾が明智の光にて照し,我等を爾が戒の路に導き給え,爾は永遠に讃揚せらるるに因る。「アミン」
榻に就く時,己に十字架を画して,下の祝文を誦すべし。
神は興き,其仇は散る可し。彼を悪む者は其顔より逃ぐべし,烟の消ゆるが如く消ゆ可し,蝋の火に融くるが如く,悪魔は,神を愛し,十字架を画する者の前に亡ぶべし。慶べよ,至尊にして生命を施す主の十字架,爾の上に釘うたれて,地獄に降り,悪魔の権力を蹈み,諸敵を駆るが為に爾尊き十字架を我等に賜いし我が主イイスス・ハリストスの権力にて悪魔を逐う者よ,嗚呼至尊にして生を施す主の十字架よ,聖なる女主,童貞生神女,及び諸聖人と共に我を世世に助け給え。「アミン」
或は
主よ,尊くして生を施す爾が十字架の力にて我を衛り,我を諸の悪より扞ぎ給え。
(現行版では,床に就く時の祝文として,「神は興き」に替わり下の祝文が収録されている)
ダマスクの聖イオアンの祝文:人を愛する主宰よ,恐くは,此榻は我が為には棺とならんか,或は尚一日の昼を穢たる霊に与え給わんか。視よ,棺は我の前に在り。視よ,死は我が前に立つ。主よ,我は爾の審判と終なき苦を恐るれども,我断えず悪しき事を行いて,爾,主,我が神と至りて潔き爾の母と,凡ての天軍,並びに我が聖なる守護天使とを怒らしむ。主よ,我は爾の仁慈に当らずして定罪と苦に当るべき者なるを識る。然れども,主よ,我欲するも,欲せざるも,我を救い給え。爾は只義人を救い給わば,何の大なることかあらん。清き者のみ憐み給わば何の驚くべきことかあらん。彼等当然爾の憐を受くべきものなればなり。然れども我罪ある者にも爾の憐を垂れ給え。是を以て爾の大仁愛を示し給え。願わくは,我が悪をして,爾の言い尽くされぬ仁慈と慈憐おに勝たしむるなく,爾の聖旨の侭に行い給え。
眠に就かんとする時,下の祝文を誦すべし。(現行版にはなし)
主イイスス・ハリストス我が神よ,我が霊を爾の手に托す,爾我に福を降し,爾我を憐みて,我に永生を与え給え。
朝の祈祷文
朝、目覚めて、行動を起こすとき、遍くすべてを見ておられる神の前に、己を敬みて立ち、十字をゆっくりと三回画いて祈りましょう。
父と子と聖神 の名に因る。「アミン」
あなたの感覚が鎮まり、思いが地上を離れるのを待ちます。そのあと心をこめて、静かに誦えましょう。
税吏の祈祷:神よ,我罪人を憐み給え。
主イイスス・ハリストス神の子よ,爾が至浄の母と諸聖人との祈祷に因りて我等を憐み給え。「アミン」
我等の神よ,光栄は爾に帰す,光栄は爾に帰す。
天の王,慰むる者よ,真実の神,在らざる所なき者,満たざる所なき者よ,萬善の宝蔵なる者,生命を賜う主よ,来たりて我等の中に居り,我等を諸の穢より潔くせよ,至善者よ,我等の霊を救い給え。
聖なる神,聖なる勇毅,聖なる常生の者よ,我 等を憐めよ。三次
光栄は父と子と聖神 に帰す,今も何時も世世に。「アミン」
至聖三者よ,我等を憐め,主よ,我等の罪を潔くせよ,主宰よ,我等の愆を赦せ,聖なる者よ,臨みて我等の病を癒し給え,悉く爾の名に因る。
主憐めよ。三次
光栄は父と子と聖神 に帰す,今も何時も世世に。「アミン」
天に在ます我等の父よ,願わくは爾の名は聖とせられ,爾の国は来り,爾の旨は天に行わるるが如く地にも行われん,我が日用の糧を今日我等に与え給え,我等に債ある者を我等免すが如く,我等の債を免し給え。我等を誘に導くかず,猶我等を凶悪より救い給え。 蓋国と権能と光栄は爾に世世に帰す。「アミン」
聖三者祝文:至善者よ,我等寤め興きて,爾に伏拝す,全能者よ,天使の歌を以て爾に呼ぶ,聖,聖,聖なる哉神よ,生神女に因りて我等を憐み給え。
光栄は父と子と聖神に帰す。
主よ,爾は我を覚して榻より起せり,我が智慧と心とを照し,我が口を開き,爾聖三者を讃め歌わせ給え,聖,聖,聖なる哉神よ,生神女に因りて我等を憐み給え。
今も何時も世世に。「アミン」
審判者俄に来たらば人人の行は顕れん,故に我等夜半に畏れて呼ぶ,聖,聖,聖なる哉神よ,生神女に因りて我等を憐み給え。
主憐めよ。十二次
聖三者祝文:聖三者よ,我寤め興きて,爾に感謝す,蓋爾の大いなる仁慈と慈憐と寛忍とに因り,我惰りて罪ある者を怒らず,並びに我を我が悪と共に亡さず,乃ち常の仁愛を顕し,我が無心に寝るを興して,朝の祈祷を奉り,爾の権能を讃栄せしめ給えばなり。今も我が霊の目を照し,我が口を開きて,爾の言葉を習い,爾の誡を悟り,爾の旨を行い,中心に承け認めて,爾を歌い,爾父と子と聖神 の至聖なる名を讃揚せしめ給え,今も何時も世世に。「アミン」
来れ,我等の王,神に叩拝せん。
来れ,ハリストス我等の王,神に叩拝俯伏せん。
来れ,ハリストス我等の王と神の前にに叩拝俯伏せん。
第五十聖詠:神よ,爾の大なる憐に因りて我を憐み,爾が恵の多きに因りて我の不法を消し給え。屡我を我が不法より洗い,我を我が罪より清め給え。蓋我は我が不法を知る,我の罪は常に我が前に在り。我は爾独爾に罪を犯し,悪を爾の目の前に行えり,爾は爾の審断に義にして,爾の裁判に公けなり。視よ,我は不法に於て妊まれ,我が母は罪に於いて我を生めり。視よ,爾は心に真実のあるを愛し,我が衷に於て智慧を我に顕せり。「イッソプ」を以て我に沃げ,然せば我潔くならん,我を滌え,然せば我雪より白くならん。我に喜と楽とを聞かせ給え,然せば爾に折られし骨は悦ばん。爾の顔を我が罪より避け,我が悉くの不法を抹し給え。神よ,潔き心を我に造れ,正しき霊を我の衷に改め給え。我を爾の顔より逐うこと毋れ,爾の聖神 を我より取り上ぐること毋れ,爾が救の喜を我に還せ,主宰たる神 を以て我を固め給え。我不法の者に爾の道を教えん,不虔の者は爾に帰らんとす。神よ,我が救いの神よ,我を血より救い給え,然せば我が舌は爾の義を讃め揚げん。主よ,我が唇を啓け,然せば我が口は爾の讃美を揚げん。蓋爾は祭を欲せず,欲せば我之を献らん,爾は燔祭を喜ばず,神に喜ばるる祭は痛悔の霊なり,痛悔して謙遜なる心は,神よ,爾軽じ給わず。主よ,爾の恵に因りて恩をシオンに垂れ,イエルサリムの城垣を建て給え。其時に爾義の祭,献物と燔祭とを喜び饗けん,其時に,人人爾の祭壇に犢を奠えんとす。
第一祝文 聖大マカリイの原文:神よ,我罪人を清め給え,我未だ善を爾の前に為さざればなり,尚我を凶悪より救い給え。願わくは,爾の旨は我の中に在り,我罪を獲ずして,我が當らざる口を開き,爾父と子と聖神 の聖なる名を讃揚せん,今も何時も世世に。「アミン」
第二祝文 上に同じ:救世主よ,我寤め興きて,夜半の歌を爾に奉り,伏し拝みて爾に籲ぶ,甘じて釘うたれし者よ,罪の死に寝ぬるを我に許す毋れ,猶我を恵みて,我惰りに偃す者を速かに起し,爾の前に立ちて祈祷する際に扶けよ。ハリストス神よ,夜の眠りの後に,罪なき日を我に照して,我を救い給え。
第三祝文 上に同じ:人を愛する主宰よ,我覚め起きて趨り附き,爾の仁慈に因りて,今爾が命ぜしことを行わんとす。爾に祈る,何の時何の事にもわれを扶けよ。我を凡そ斯の世の悪事と悪魔の謀より脱し,我を救いて,爾が永遠の国に入れ給え,蓋爾は我を造り我に万善を備え与うる主にして,我が頼は尽く爾に在ればなり。我光栄を爾に帰す。今も何時も世世に。「アミン」
第四祝文 上に同じ:主よ,爾は多くの慈と広き恵とを以て,我爾の僕(婢)に過ぎ去りし夜の時を悪敵に悩まされずして度らせ給えリ。主宰,萬物の造者よ,爾自ら我に,真の光に照されたる心にて,爾の旨を行わしめ給え。今も何時も世世に。「アミン」
第五祝文:主,全能者,天軍と諸の肉身との神よ,高きに居り,卑きに臨み,心腹を悟り,人の密事を預め知り,始なくして常に存する光,変なく影の移もなき者よ,死せざる王よ,我等が今爾が恵の広きを恃み,我が汚れたる口を以て爾に献る祈祷を受け,我等が行と言と思にて,知ると知らずして犯しし諸の罪を赦し,我等を肉体と霊魂との諸の汚より浄め,我等に醒めたる心と慎の思とを以て此の生命の夜を度り,爾が独生の子,我が主,神,救者イイスス・ハリストスの光り輝く日,即萬有の審判者が各人の行に応じて報ゆるが為,光栄を顕して来らん日の臨むを俟ち,我等が偃し惰らず,乃寤め興きて務に備うるを認められ,喜と彼が光栄の妙なる宮と,彼の祝う者の断えざる声,及び爾の顔の言い尽されぬ美善を見る者の,言い尽されぬ慰の処に共に入らしめ給え,蓋爾は萬有を照し,且聖にする真の光なり,総ての造物は爾を世世に讃め歌う。「アミン」
第六祝文:至上の神,慈憐の主よ,我等爾を讃揚す,爾は常に我等に広大にして測り難く,光栄にして驚くべき,数え尽くされぬ事を行い,更に我等に眠を賜いて,我が弱きを息ましめ,我が疲れ易き身体の苦労を弛べ給いしによる。我等爾に感謝す,蓋我等を我が悪と共に亡さず,乃常の仁愛を顕し,我が無心に寝ぬるを興して,爾の権能を讃栄せ しめ給えばなり。今猶爾の測り難き仁慈に祈る,我が心と目とを照し,我が智慧を惰の眠より起し,我が口を開きて,爾の讃美を満たし,我等に絶えず爾を歌い,爾事毎に萬有より讃栄せらるる神,無限の父,爾の独生の子,及び至聖至善にして生命を施す爾の神 を讃揚せしめ給え,今も何時も世世に。「アミン」
第七祝文 至聖生神女に奉る夜半の歌:女宰よ,我爾の恩寵を讃め歌いて,爾に祈る,此の恩寵を我が智識に垂れ給え。我を導きて,正くハリストスの誡の道を履ましめ給え。我が悶の眠を覚まして,讃歌を奉らしめ給え。
神の聘女よ,爾の祈祷を以て罪悪の緤に縛らるる者を釈き給え。昼夜我を守りて,我を攻むる敵より救い給え。
生命を賜う神を生みし者よ,我欲に殺されたる者を活し給え。
暮れざる光を生みし者よ,我が瞽となりし霊を明し給え。
嗚呼妙なる主宰の宮よ,我を聖神の家となし給え。
医師を生みし者よ,我が霊の多年の疾を愈し給え。世の風涛に漾わさるる我を痛悔の路に向わせ給え。我を永遠の火と毒虫と地獄より救い,多くの罪を犯しし我を悪魔の喜とならしむる勿れ。
至りて玷なき者よ,重る罪に古びし我を新なる者となし給え。我を諸の苦の外に脱し,萬有の主宰に憐を垂れしめて,我に諸聖人と共に天の楽を得しめ給え。
至聖なる童貞女よ,爾が当らざる僕(婢)の声を聞き給え。
至浄の者よ,我に涙の流を賜いて,我が霊の穢を清め給え。我常に中心より嘆息を爾に奉る。
女宰よ,思いを垂れ給え。我が祷の務を受けて,之を仁慈なる神に棒げ給え。
神の使に勝れる者よ,我を斯の世の煩擾に勝つ者となし給え。
光を放てる天の幕よ,我が衷に聖神の恩寵を照し給え。
全く玷なき者よ,我汚れ穢れし手を揚げ,口を開きて,爾を崇め讃む。務めてハリストスに祈り,霊を壊る誘惑より我を救い給え。蓋尊敬叩拝はハリストスに帰す,今も何時も世世に。「アミン」
第八祝文 我が主イイスス・ハリストスに捧ぐ:至慈至仁なる我が神,主イイスス・ハリストスよ,爾は多くの愛を以て萬民を救うが為に降りて人体を取り給えり。救世主よ,我猶祈る,恩寵に因りて我を救い給え。蓋行に因りて我を救わば,恩寵と錫とに非ず,当然の事なるのみ。嗚呼慈の深く,憐の言い尽されぬ我がハリストスよ,爾言えり,我を信ずる者は,生きて永く死を見ざらん,若し爾に於ける信は能く望を失う者を救わば,視よ,我は信ず,我を救い給え。爾は我の神と造者なればなり。願わくは,我が信を以て行に代えん。我が神よ,敢て我を義とする行を求むる勿れ,願わくは彼の信は,萬事の欠くるを補わん。彼は対え,彼は我を義とし,彼は我を爾が永遠の光栄に与る者となさん。神の言よ,願わくは「サタナ」に,我を虜にし,我を爾の手爾の牢より奪いて誇るを得ざらしめよ,乃我が欲するも,我を救い給え,欲せざるも,ハリストス我が救主よ,急ぎ急げよ,我殆ど亡びんとす,我母の胎内に居る時より,爾は我の神なればなり。主よ,今我に爾を愛すること,我が前に罪を愛せしが如く,又惰無くして慇に爾に事うること,前に譌ある「サタナ」に事えしが如くならしめ給え。願わくは我存命の日,恒に爾主我が神イイスス・ハリストスに勤めん,今も何時も世世に。「アミン」
第九祝文 人の生命を守護する天使に捧ぐ:聖天使,我が廃てられし霊と我が欲に染みし生命とに附き添う者よ,我罪人を棄つる勿れ,我が慎なきを以て我に離るる勿れ。狡猾の悪魔に,此の死すべき体の欲に乗じて我を制する隙を与うる勿れ。我が便なくして弱りたる手を堅固にし,我を救の途に導き給え。嗚呼聖なる神の使,我が廃てられし霊と体とを護り覆う者よ,凡そ我が存命の日に於て爾に犯しし所を尽く赦し給え。若し今過ぎ去りし夜に於いて罪に陥りしことあらば,此の日に於いて,我を覆い給え。我を仇の諸の誘より守り,我に罪を以て神の怒りを招くことなからしめ給え。我が為に主に祷りて,我が彼を畏るる心を固め,我が其仁慈を受くるに勝うる僕(婢)たるを顕さしめ給え。「アミン」
第十祝文 至聖生神女に捧ぐ:至聖なる我が女宰,生神女よ,爾のせいにして全き力ある祈祷を以て,我爾の賤しき当らざる僕(婢)より倦厭,遺忘,無智,怠惰を遠け,及び我が廃てられし心と我が昏まされし智識より都ての汚れと詐と誹との念を遠け給え,並に我が欲の焔を消し給え,我貧しくして廃てられたる者なればなり。我を多くの邪なる記念と志より離し,都ての悪事より我を救い給え,蓋爾は萬世に尊まれ,爾の至尊なる名は世世に崇め讃めらる。「アミン」
若し忙しくして,早く爾の業に就かざるを得ずば,定めたる悉くの祝文を急ぎ乍ら心を専にせずして読まんより,寧数端に気を附け,心を用いて読むべし。
聖名の聖人に依頼する祈り:聖にして神に喜ばるる(某)よ,我が為に神に祈り給え,我熱心にして爾速に助くる者と我が霊の為に祷る者に趨り附けばなり。
至聖生神女讃詞:生神童貞女よ,慶べよ,恩寵に満たさるるマリヤよ,主は爾と偕にす,爾は女の中にて讃美たり,爾の胎の果も讃美たり,爾は我等の霊を救う主を生みたればなり。
十字架讃詞:主よ,爾の民を救い,爾の業に福を降せ,我が国に幸いを与え,爾の十字架にて爾の住所を護り給え。
次に爾の神父,両親,親類,教師,首長,恩人,知己,病者,愁人等の壮健と救贖との為に祷を献げよ,若し能すべくば,記憶文を読め。
記憶文:主イイスス・ハリストス我等の神よ,爾が永遠よりの憐と広恵とを記憶し給え,蓋爾は之に因りて爾を正しく信ずる者の救の為に人体を取り,十字架と死とを忍び受け,又死より復活し,天に升り,神父の右に坐し,心を全くして爾を呼ぶ者の賤しき祈祷を顧み給えばなり。爾の耳を傾けて,我爾の堪えざる僕(婢)が,爾の衆人の為に,霊の香として爾に奉る賤しき祈祷を聴き給え。
第一には,爾の尊き血にて得し所の聖公使徒の教会を記憶して,之を固め,之を強くし,之を広め,之を増し,之を平安にし,之を世世に地獄の門に破られざる者として守り給え。諸会の分を治め,異邦の惑いを解き,異端の仇を速かに破り,之を爾が聖神の力にて亡し給え。叩拝一次
主よ,吾が国を司るものを憐みて救い給え,彼等に爾の正教会と爾の衆人とを愛し,能く之を慮らしめ給え。我等にも,彼等の平和により,正教と敬虔の諸徳とを以て穏にして乱れざる生命を度らせ給え。叩拝一次
主よ,爾が言ある羊の群を牧するが為に立て給いし教会を司る尊貴なる府主教(某),聖なる全世界の総主教,聖にせられし正教の府主教,大主教,主教,司祭,輔祭,及び総ての教会の役者を憐み救い,彼等の祈祷に因り,我罪人をも憐みて救い給え。叩拝一次
主よ,我が神父(某)を憐み救い,其聖なる祈祷に因りて,我が諸の罪を赦し給え。叩拝一次
主よ,我が父母(某),兄弟,姉妹,我が肉身の親類,我が族の諸の縁者,親友を憐み救い,彼等に爾の今生来世の福を与え給え。叩拝一次
主よ,老たる者,幼き者,貧しき者,孤子,寡婦,病ある者,憂ある者,困難なる者,虜にせられし者,獄にある者,流されし者,特に異邦人,背教者,異端者より,爾と正教との為に窘逐せらるる爾の僕婢を憐みて救い給え,願わくは之を記憶し,之を顧み,之を固め,之を慰め,速に爾の力を以て之を解き,之を自由にし,之に免るるを得しめ給え。叩拝一次
主よ,勤の為に遣され,或は旅する我が諸父兄弟,並びに悉くの正教の「ハリスティアニン」を憐みて救い給え。叩拝一次
主よ,我を怨み,我を悩し,我を苦しむる者を憐み救い,彼等に我罪人の為に亡ぶることなからしめ給え。叩拝一次
主よ,未だ爾を知らざる異邦人,又正教に背き,霊を滅す異端に昧まさるる者を爾が明智の光にて照し,之を爾の聖公使徒の教会に合せ給え。叩拝一次
現行版生者記憶文:主よ,我が国の今上天皇,皇后,皇太子,皇太子妃,及び皇族を憐みて救い給え。
主よ,教会を司る我等の大主教(某),主教(某),神父(某)及び総ての教役者を憐みて救い,彼等の祈祷に因りて我罪人をも憐みて救い給え。
主よ,我が父母(某),代父母(某),及び兄弟姉妹,我が肉身の親類,我が族の諸の縁者親友を憐みて救い,彼等に爾の今生来世の福を与え給え。
死者の記憶文:主よ,此の世を去りし至聖なる正教の総主教,聖にせられし正教の府主教,大主教,主教,司祭,輔祭,及び総ての教会の役者,又修道を以て爾に勤めし者を記憶して,諸聖人と共に爾が永遠の住所に安んぜしめ給え。叩拝一次
主よ,眠りし爾の僕婢,我が父母(某),及び我が悉くの肉体の親族の霊を記憶して,彼等の自由に因る自由に因らざる諸罪を赦し,彼等に天国と爾の永遠に与ることと,爾の福なる永き生命の楽とを与え給え。叩拝一次
主よ,凡そ復活と永生との望を懐きて眠りし我が諸父兄弟姉妹,及び此の処と諸方とに葬られたる正教の「ハリスティアニン」等を記憶して,爾の諸聖人と共に爾が顔の光の輝く所に住まわせ,並に我等を憐み給え。爾は仁慈にして人を愛する主なればなり。「アミン」叩拝一次
主よ,信と復活の望とを懐きて過ぎ去りし我が悉くの諸父兄弟姉妹に諸罪の赦しを与えて,彼等に永遠の記憶をなし給え。三次
現行版死者の記憶文 依『時課経』26頁「夜半課」:主よ,復活と永生との望を懐きて眠りし我等の諸父兄弟,及び都の敬虔と信仰とを以て世を終りし者を記憶し,彼等に凡そ自由と自由ならずして,或は言,或は行或は思にて犯し罪を赦し,彼等をい明き処涼き処安楽の処,諸の疾と悲と嘆との遠ざかりし処,爾が顔の光の輝きて,世世より爾の悉くの聖者を楽しましむる処に住わせ,彼等と我等とに,爾の国と,爾の言い難き永遠の福楽に与ることと,爾の限なき福なる生命の喜とを与え給え。蓋ハリストス我等の神よ,爾は眠りし爾の僕婢の生命と復活と安楽なり,我等爾と,爾の無原の父と,至聖至仁生命を施す爾の神 とに光栄を帰す。今も何時も世世に。「アミン」
生神女讃詞:常に福にして全く玷なき生神女,我が神の母なる爾を讃美するは真に当れり。ヘルワィムより尊く,セラフィムに並びなく栄え,貞操を壊らずして神言を生みし実の生神女たる爾を崇め讃む。
主憐めよ。三次
光栄は父と子と聖神 に帰す,今も何時も世世に。「アミン」
主イイスス・ハリストス神の子よ,爾が至浄の母と,我が克肖捧神なる神父と,諸聖人との記憶因りて,我罪人を救い給え。「アミン」
諸罪の痛告 毎日朝の祈祷に併せ或は他時に独之を誦す
我爾主我が神と造物主,聖三位にして唯一なる者,讃揚叩拝せらるる父と子と聖神の前に,我が存命の日毎,時毎に,行と言と思いにて,視ると聴くと臭ぐと味うと觸るることと,我が霊と体との総ての感覚にて行いし我が尽くの罪,爾我が神と造物主の怒りに觸れ,又我が隣を侵しし所の者を痛す。我深く之を憂いて,己を爾我が神の前に罪人となし,之を改むる望を懐けり。唯主我が神よ,我涙を垂れ,謙りて爾に祈る,願わくは我を佑け給え,過ぎ去りし我が罪は,爾の憐を以て之を赦し,我を是より解き給え。爾は仁慈にして人を愛する主なればなり。
昼の祈祷文
業を始むる前の祈祷:主イイスス・ハリストス,爾が無原の父の独生の子よ,爾は至浄の口にて曰えり,我なくんば能く為すなしと。主よ,我が主よ,我は信を以て何時の言を心に懐き,爾の仁慈を拝みて祷る,我罪人が始むる所の業を佑けて,之を遂げさせ給え,父と子と聖神 の名に因りてなり。「アミン」
業を終うる後の祈祷:萬福を賜う我がハリストスよ,爾に感謝す,願わくは,恒に我が霊に喜と楽とを満てて,我を救い給え,爾は独大仁慈の主なればなり。
受業前の祝文:智慧を賜う教師,明悟を与うる主宰,智識の開けざる者の教導者,能力の乏しき者の守護よ,我が心を誨えて,之を固め給え。父の言よ,我に言を与え給え,蓋我口を閉じずして爾に呼ぶ,仁慈なる者よ,我罪人を憐み給え。
或は
至善の主よ,爾が聖神の恩寵を遣し,我等に霊の力を賜いて,之を固め給え。我等が授けらるる教に心を用い,益生長して,爾我が造物主の光栄,吾が親の慰,教会と生国との利益となるを得しめ給え。
受業後の祝文:造物主よ,爾の恩寵を我等に賜いて,学業に心を用いさせ給いしを爾に感謝す。我等の首長,父母,教師等,我等を導きて善を知らしむる者に福を降し,及び我等に此の学業を継ぐが為に能力を与え給え。
食前の祝文:天に在ます我等の父よ,願わくは爾の名は聖とせられ,爾の国は来り,爾の旨は天に行わるるが如く地にも行われん,我が日用の糧を今日我等に与え給え,我等に債ある者を我等免すが如く,我等の債を免し給え。我等を誘に導くかず,猶我等を凶悪より救い給え。
或は
主よ,衆人の目は爾を望む,爾は時に随いて彼等に糧を賜う,爾の豊なる手を開きて,諸の生ける者を爾の恵に飽かしむ。
食後の祝文:ハリストス吾が神よ,爾が地上の福を我等に飽かしめ給いしを爾に感謝す。求む,爾の天国をも我等に得しめ給え。
或は
讃揚せらるる神,我等を幼より憐み養い,凡そ生ける者に糧を賜う者よ,我等の心を喜と楽とに満て,我等が常に諸の事に乏しからずして,我が主イイスス・ハリストスに因り,諸の善事を行うに足るものとならしめ給え,蓋光栄権柄尊敬は,爾と爾の独生子と聖神 とに世世に帰す。「アミン」
或は
主よ,爾を讃揚す,聖なる者よ,爾を讃揚す,王よ,爾を讃揚す,我等に楽しみて食事するを賜えばなり。求む,聖神を我等に満て,爾が各人の行に応じて報ゆる時,我等を爾の前に喜ばれ,耻を受けざる者と顕し給え。
四旬大斎内即大斎第一週間月曜日の前晩より聖大水曜日に至る迄,スボタ主日の外毎日朝晩の私祈祷後に下の祝文を誦すべし。
聖エフレムの祝文:主吾が生命の主宰よ,怠惰と,愁悶と矜誇と空談の情を吾に与うる勿れ。大拝一次
貞操と謙遜と忍耐と愛の情を我爾の僕(婢)に与え給え。大拝一次
嗚呼主王よ,我に我が罪を見,我が兄弟を議せざるを賜え,蓋爾は世世に崇め讃めらる。「アミン」大拝一次
又小拝すること十二次毎次誦して曰く,
神よ,我罪人を浄め給え。小拝十二次
後再全文を誦す
主吾が生命の主宰よ,怠惰と,愁悶と矜誇と空談の情を吾に与うる勿れ。貞操と謙遜と忍耐と愛の情を我爾の僕(婢)に与え給え。嗚呼主王よ,我に我が罪を見,我が兄弟を議せざるを賜え,蓋爾は世世に崇め讃めらる。「アミン」大拝一次
パスハから聖神降臨祭までの始業、終業の祈祷
聖大パスハより昇天祭に至るまで(*註1)、朝晩の祈祷中に左の如く誦すべし。乃ち朝晩とも「天の王慰むる者よ」を誦せずして、其の代わりに左のパスハの讃詞(トロパリ)を誦すべし。
「ハリストス死より復活し、死をもって死を滅ぼし墓に在る者に生命を賜えり。」三次
「常に福いにして」に代えて左の讚歌を誦す
「新たなるイエルサリムよ光り光れよ、主の光栄爾に輝きたればなり、シオンよ、今祝いて楽しめ、爾潔き生神女よ、爾が生みし主の復活を喜び給え。」
『小祈祷書』より
*註1 パスハの讃詞と「新たなるイエルサリムよ光り光れよ〜」は聖大パスハ主日早課より、主の昇天祭の徹夜祷が始まる前まで誦する。また、主の昇天祭から聖神降臨祭(五旬祭)の徹夜祷が始まる前までは、パスハの讃詞に代えて、始業は「昇天祭の讃詞」(*註2)と終業は「常に福いにして」を誦する。聖神降臨祭から聖大土曜日までは、通常に戻り、始業に「天の王」、終業に「常に幸い」を誦する。
*註2 昇天祭の讃詞「ハリストス我等の神よ、爾は光栄の中に天に升り、聖神を遣わすを約して、門徒を喜ばしめ給えり。彼等爾の祝福に依りて、爾が神の子、世界の贖罪主たるを確かめられしに因る。」
修士及び俗人にして能く書を読み又行わんと欲する者の毎日の規礼
晩堂課定例の諸規程、四「カフィズマ」、及び之に随う諸讃詞并に諸祝文、預言者の歌頌、叩拝三百次、イイススの祈祷「主イイスス・ハリストス神の子や、我罪人を憐み給え」六百遍、生神女の祈祷「我が女宰至聖なる生神女や、我罪人を救い給え」一百遍、此くの如く、一週間に聖詠経全編を誦す。
新修士及び体弱き者は三「カフィズマ」を誦し、叩拝すること一百次、イイススの祈祷三百遍、及び生神女の祈祷一百遍を誦す。
書を讀む能わざる男女、居所の遠隔なるに依り、或は他に去り難き事故あるを以て、聖堂に来りて祈祷を聴くを得ず、且自ら規礼を定むる能わざるも、祈祷と斎とを以て神の恵を得、己の心霊を浄くせんと欲する者、若し祈祷の秩序及び整然たる課程を以て己の喜と楽とするを得ば、其能する所に従いて次の規礼を行うべし、
晩課に代うるには、イイススの祈祷「主イイスス・ハリストス神の子や、我罪人を憐み給え」一百遍、及び叩拝二十五次。
晩堂課に代うるには、祈祷五十遍、及び叩拝十二次。
早課に代うるには、祈祷三百遍、及び叩拝五十次。
第一・三・六・九時課に代うるには、毎時課祈祷五十遍、及び叩拝七次。
聖体礼儀代式に代うるには、祈祷一百遍、及び叩拝十次。
神の恩寵に藉りて此くの如く行う者は愈々祈祷に増進せん、使徒の命ずる所の如し。曰く、常に祈祷し、何の時に於ても、一切の事を主に感謝すべしと。聖堂の祈祷の時は、何人も祈祷なくして居るべからず、即何の事に遇うを論ぜず。或は家、或は途に在りて、能する所に随いて之を行い、倦怠することなく、及び全く己を空慮に委ぬるなかるべし。此くの如く主ハリストスを恃みて之を忘れざる者は、其の期に遵いて行う所の規礼小なりと雖も、主は之を観て大とせん。主親ら曰えり、爾我が前に徒然たるべからず。又曰く、爾果を結ばざる者となる勿れ。聖使徒ベトル曰く、服役すれば則神が賜う所の能に循うべし。聖使徒バワェルも亦曰く、我寧ろ我が心を以て五言を言わんと。蓋小と雖も、焦慮と熱心とを以て行う所の者は大たらん。故に書を読む能わざる者の此の規礼の小なるを疑う毋れ。然るに若し人善く他人を教導して規礼の是より大なる者を行わしめ、其の祈祷する熱心を益々養成せしむるを得ば、何人も之を妨げず。此くの如き人は、反りて主ハリストスより賞及び報酬を受けん。但各人は光栄を神に帰して、最も善なる事、利益なる事、神に喜ばるる事を言い、且行うべし。蓋不学の人と雖も、能く己の規礼を守る者は恒に楽まん、録する所の如し。曰く、我神を記憶して楽めりと、且全備なる喜楽を得ん、天に在りては、善を行う者の得る所の賞大なるに因る、「アミン」
最凡の男女老少、何人を論ぜず、必「天に在す我等の父や 云々」「生神童貞女や慶べよ 云々」「我信ず一の神、父、全能者 云々」を熟識して、毎日数次之を誦す可し。
コロナワィルス(ウイルス)に對する祈禱
エデッサ及びペラの府主敎イオイリの作。
主イイスス ハリストス我が神、我が靈體の醫師、我等の爲に身を藉(と)りし者よ。視よ、爾は多くの者の傷を醫せり。爾は不治なる病、癩病を患(うれ)うる十人を輕ぜず、其醫治(いやし)を施す恩寵を以て、彼等を潔め給えり。爾は身にて世に來り、凡の病者、瞽者(めしい)、跛者(あしなえ)、惡鬼に憑らるる者、思い煩う者、及び爾に甚しく罪を犯しし者を醫したる者なり。爾は慈憐を以て我等の改新(あらたまり)を望みたる者なり。爾の能力(ちから)を以て「コロナ」と稱えらるる疫病、卽恐懼(おそれ)と病と死とを我等に攜うる者の力を抹し、而して是を鎭め給え。
我等は爾の前󠄁に多くの罪を犯し、己に誘惑(いざない)を生ぜしめたり。然れども我爾に祈る。爾の大なる憐に因りて、我等及び全世界より誘惑を退け給え。我等の信を試み、勝を得せしめ、我等に是の病が攜うる恐懼と我等が撼(うご)くこととを鎭め給え。
少(わか)き者を庇い護り、病者を醫し、老者と凡そ惶れ惑う者とを憐み給え。凡の者に、壯健、平安を與え、並に彼等を飽かしめ給え。至聖なる我が女宰生神女及び諸聖人の祈禱に因りてなり、「アミン」。
原文 https://vk.com/club161028341 / 信徒有志による訳